マツドサイエンティスト・研究日誌 保存版
ハイレゾ・オーディオって誰のためのもの?

初出:2013年06月23日 元々のブログ・コンテンツへのリンク
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自作のデジタルオーディオプレーヤーも96kHz 24bitに対応し、それなりに音質も良くなってきたので、私も曲がりなりにもハイレゾ・オーディオに足をつっ込んだ訳だが、ここで困ってしまった。聞く曲が無いのだ。ネット上にハイレゾ音源の販売はあるにはあるが、ほとんどがクラシックかジャズ。たまに日本人のボーカルの入った曲があっても、古い人ばかり。いくら歌唱力に定評あっても古い人の歌声なんか聞きたくないもんね。売る気が無いかとうたがいたくなるくらいハイレゾ音源で聞きたい曲が無い。
そもそもターゲットが間違ってんじゃないの?
今、新たにハイレゾ音源が欲しい人は、どんな人だろう?まだ、WalkmanとiPodがハイレゾ音源に対応してない現在、ハイレゾ音源を聞くのは事実上パソコンにUSB-DACを接続するのに限られる。まあ、私のように携帯型のデジタルオーディオプレーヤーを1から自作すればモバイル環境でハイレゾ音源を聞くことは可能だが、これは例外中の例外だろう。
ハイレゾ音源を聞くには、物凄い高性能ではないが、それなりにアクセスの速い性能を持つパソコンとハイレゾ音源をダウンロードするためのネット環境が必要になる。これにUSB-DACとアンプ、それにイヤホンやスピーカーを追加すれば良い。パソコン・ネット環境以外にかかる費用は、イヤホンなら3万円くらいか?ハイレゾ対応でヘッドホンアンプ内蔵のUSB-DACが実売価格1万3千円程度、イヤホンが1万5千円強とした。もちろん、イヤホンは安いのも高いのも幾らでもあるので、合計3万円はハイレゾがそれなりに味わえる価格だと思う。スピーカーで聞くならなら、5〜8万円くらいだろう。
つまり、パソコンとネット環境があれば、数万円でハイレゾ音源が楽しめる時代が来たわけだ。元々パソコンとネット環境を揃えて居る人は新しもの好きのオタクが多いので、数万円でハイレゾ・オーディオが手に入るなら、喜んで買う人が多いだろう。実際に買っちゃった人も少なくないんじゃないかな?
すなわち、ハイレゾ・オーディオに新規で参入した人達と、その予備軍には大量のオタクが控えてるって事。ところが、問題はハイレゾ音源にはオタクの聞きたい曲が無い。
オタクは趣向に関しては自尊心が高いから、どんなに偉い先生がクラシックが正統な音楽ですよと言ってもそんな話には聞く耳を持たない。だから、クラシックなんか聞く気もない。まあ、クラシック音楽オタクは聞くだろうけど、それはそれ。ジャズは本来私は嫌いじゃないはずなんだけど、ネット上にあるハイレゾ音源のジャズは、なんか高尚(?)すぎて私に合わないものばかりだった。
オタクは統一的に好きな曲があるのではなく、各自てんでバラバラ。一般的にオタクはアニソンが好きと思われているみたいだが、オタクが皆アニソン好きな訳じゃない。まあ、アニソン好きのオタクが多く居るのを否定はしないが。
重要なのは、オタクがアニソンを否定しないって事。「オタクがアニソン好き」と「オタクがアニソンを否定しない」は、全然違うんだよ。混同する人が多いけど。
オタクは自分の価値観を重視するのと同じく、他人の価値観を認める。例えば、あるオタクがアニソン好きで無くても、他のオタクがアニソン好きを価値観の個性として認めるんだ。オタク以外なら、アニソンなんかくだらないの全否定で終わっちゃうけどね。
ネット上でのオタク同士の議論が、使う言葉が激しいので、オタク同士はいがみ合っていていると、誤解されがちだが、そうでは無い。互いの価値観の個性を認めているから、議論になる。クラシックの大先生なんかアニソンの議論どころか批判すらしない。議論や批判する価値すら無いと思っているんだねぇ。ここまでのところ、「アニソン」を「AKB48等の歌謡曲」と置き換えても同じ。
だいぶ話がそれてしまったが、元に戻すと、ハイレゾ音源はクラシックと高尚(?)なジャズばかりで、歌謡曲はほとんど無く、アニソンは皆無だと言う現状は、「アニソンなんかハイレゾで聞く価値無し」と言われているような気がしてならない。そりゃそうかもしれないと思うところが無いわけでもないが、本当に聞いてみなきゃ、ハイレゾでアニソンを聞く意味があるかどうかわからんだろう。
「残酷な天使のテーゼ」とか、中川翔子の「空色デイズ」などは、超高音質で再レコーディングしてハイレゾで配信してくれたら、喜んで買うぞ。ジャズだったら、プラチナジャズのようにアニソンをカバーしてくれると嬉しい。
聞いた結果、アニソンをハイレゾで聞く意味が無いと言う事になっても構わない。多少とも良い音で聞けたら、それで自己満足できれば十分だ。趣味の音楽鑑賞なんて、そんなもんさ。
アニソンや歌謡曲がハイレゾで販売されないのは、レコード会社や事務所との関係とか著作権の問題かもしれない。しかし、ハイレゾ配信にアニソンや歌謡曲が一切無い現状を見ると、やはりアニソンや歌謡曲がハイレゾで聞く価値のない「劣った音楽」とされているとしか思えない。別にクラシックよりアニソンが優れた音楽と言う気はないが、だからと言ってアニソンがクラシックに比べて劣っているとも思わない。聞く人の趣向によって好き嫌いはあって当然だが、基本的に音楽の種類で優劣なんかない。クラシックのように学校で教えられる音楽だけを優れた音楽だというのは権威主義としか思えない。個人個人の価値観を尊重するオタクにとって、権威主義ほど忌み嫌われるものは無い。

長くなったな。
要は、まとめると言いたいことは以下の3点。
1.ハイレゾ音楽の購入予備軍には大量のオタクが居る
2.配信・販売されるハイレゾ音源に、アニソンや歌謡曲が無い
3.ハイレゾ音源にアニソンや歌謡曲が無いこと自体よりも、その裏に見え隠れする権威主義に嫌な感じがする
だ。
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